三浦しをんさんの新刊です。
一見地味な装幀ですが、カバーをとると、漫画が・・・。
時代の流れですか、こういう漫画を使った表紙というのは。
読みながら登場人物をイメージする楽しさってあると思うのですが、こういう風に漫画で描かれちゃうと想像できなくてつまりませんわ。
でも、本を開けると、専門用語ではなんていうんでしょうか、題名が書いてあるページがあり、これがいいんです。
今までの本で題名をカラーで描いてあるのって見たことないような気がします。
変った題名なので、一体何の本なのかと思うでしょう。
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」ということで、「海を渡るにふさわしい舟を編む」、玄武書房という出版社の辞書編集部のお話です。
この頃、漢字が危うい時には電子辞書ばかり引いています。紙の辞書は英和辞書以外は引いてません。電子辞書では流し読みをすることができないので、英語の例文を探す時に面倒で困りますから、紙の辞書になるのです。随時三冊ぐらい英和辞書を身近に置いています。
出てくる例文もそれぞれ違い、おもしろいなと思うこともありました。
でも、それ以上は考えたことがありませんでした。
辞書編集に人生をかけている荒木は、最後の大仕事―『大渡海』の編纂―を為し遂げるべく、自分の定年後の後継者探しをします。
白羽の矢が立ったのは、第一営業部の入社三年目の馬締光也。
彼は今時珍しい人です。彼の趣味が「エスカレーターに乗るひとを見ること」。
彼は大学入学から十年間、早雲荘という古い木造二階建ての下宿に住んでいます。住人は大家さんのタケおばあさんと猫のトラさんだけ。本が多いので、下宿人が自分だけだというのをいいことに、一階にある部屋をすべて書庫がわりにしています。そのためタケばあさんは二階に追いやられてしまいました。
彼の彼の食糧はもっぱら「ヌッポロ一番 しょうゆ味」。
セコメントをする