<イモージェン・クワイ>シリーズの三作目。
ケンブリッジ大学のセント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師のイモージェン・クワイは学寮長から今度の木曜日のハイテーブルのディナーに参加してくれないかと頼まれる。
カレッジの卒業生で<ファラン・グループ>の会長であるサー・ジュリアス・ファランがゲストで、扱いに手こずりそうなので、せめて女性が参加してくれれば、いくらか座がなごむのではないかというのだ。
サー・ジュリアスは彼の部下で、イモージェンの元恋人のアンドルー・ダンカムを連れてくるという。
アンドルーとの再会に喜ぶイモージェン。
木曜日のディナーは順調だったが、談話室に移動した後、カレッジのフェローがサー・ジュリアスに絡み始める。
イモージェンは止めさせようとするが、無駄だった。
サー・ジュリアスは激怒し、帰ろうとして階段を踏み外し、捻挫してしまう。
もちろんイモージェンが手当をする。
サー・ジュリアスはイモージェンが気にいり、<ファラン・グループ>での仕事をオファーした上で、自分には多くの敵がいて、命を狙われていると漏らす。
多忙な日々を送っていたある日、イモージェンは新聞がサー・ジュリアスの死を報じているのに気づく。
イモージェンはアンドルーに連絡する。
彼によるとサー・ジュリアスは崖から転落して亡くなったそうだ。
誰かに突き落とされたのか…。
イモージェンの勘は殺人だと告げている。
アンドルーとともにイモージェンは調査を始めるが、今度は二人が容疑者ではないかと疑っていた人物が殺害される。
一方、貧乏学寮セント・アガサは財政難に陥っていた。
新しい会計係として<ファラン・グループ>の社外役員、ピーター・ウェザビーが雇われていたが、ウェザビーはサー・ジュリアスの死後行方をくらます。
サー・ジュリアスの死と何か関係があるのか?
やがてイモージェンはカレッジのために奔走することに。
イモージェンは頭も性格も良い、誰からも慕われる女性なのですが、いかんせん男の趣味が悪いです。
彼女が医者の道を諦め、ナースになったのも男にフラれたから(だったよね)。
今度は元恋人のアンドルーに都合のいいように扱われています。
主人公はパーフェクトウーマンというわけではなくて、ちょっと難がある方が望ましいということはわかりますけど、でもねぇ…。
こういう欠点はありますが、<ファンラン・グループ>に関する内幕など様々なことが書かれていて、お話としては面白いです。
ジル・ペイトン・ウォルシュは2022年にお亡くなりになっているので、イモージェン・クワイ・シリーズは四冊目の『The Bad Quarto』で終わりになります。
殺人の舞台はカレッジに戻り、若手教授の死にまつわる謎をイモージェンが解いていくようです。
イモージェン・クワイ・シリーズ
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