2019年に公開され、第93回アカデミー賞、編集賞と音響賞を受賞した作品です。
(ネタバレあり)
ドラマーのルーベン・ストーンはトレーラーハウスでアメリカ中を移動しながら、恋人のルーと組んだバンドでライブ活動をしながら暮らしていました。
ある日、急に耳が聞こえなくなります。
病院で聴覚検査をしてみると、最大音量にしても右耳29%、左耳24%しか聞き取れていません。
医師は急激に聴力を失いつつあり、失った聴力は戻らない、今の聴力を維持するだけだという診断をくだし、大音量にさらされるような環境から遠ざかるようにと言います。
人工内耳を埋め込むこともできますが、保険がきかず、4万から8万ドルするそうです。
ライブの後、ルーベンはルーに耳が聞こえないことを告白します。
ルーはツアーを止めようと言いますが、ルーベンは聞き入れません。
自暴自棄になったルーベンを見て困ったルーは知人に相談し、ミズーリ州にある聴覚障害者の支援グループを紹介してもらいます。
施設ではジョーが迎えてくれました。
ジョーはルーベンにドラッグ依存症かどうか、もしそうなら耳が聞こえなくなってから使おうと思ったか聞きます。
ルーベンは4年前からルーと付き合いだし、彼女のおかげで薬と縁が切れたのでした。
ジョーは自分のことを話します。彼はアルコール依存症で、戦争で聴力を失い、妻も子も失ったのですが、それは耳のせいではなく、酒のせいだったと。
ジョーはここで暮らしながら手話を学んで生活の基盤を作るべきだとアドバイスしますが、一人で施設に入らなければならないということがわかった時点でルーベンはジョーの申し出を断ります。
しかし翌朝、ルーはルーベンを残し、父親の元に行ってしまいます。
仕方なく施設に入ることにしたルーベン。
車のキーも携帯電話も預けなければなりません。
みんなに紹介されますが、手話がわからないので、何を言っているのかわかりません。食事の時も、みんなが楽しそうに何を話しているのかわかりません。
この施設ではそれぞれにやるべき仕事が与えられ、ルーベンはろう者の生活を学ぶように言われます。
自分が何をしたらいいのかわからないルーベンは、頼まれてもいないのに屋根を直してしまいます。それを見たジョーがやってきて、課題を出します。
朝5時に指定された部屋に行き、そこでジッと座っているという課題です。
ジッとしていられない時はテーブルに紙とペンがあるから、自分の気持ちを書いていくのです。
やがてルーベンは指文字を覚え、子どもたちと親しくなり、食事の時にはみんなと話せるようになります。
そんなルーベンにジョーは、将来この施設で彼のプログラムや学校の手伝いをして暮らしていかないかと提案してきます。
しかしルーベンはまだ望みを捨ててはいませんでした。
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