神楽坂に盲導犬のアンと住む竹宮よう子は書評家をしています。
目が見えなくても読書はできます。点字図書や録音図書、拡大図書があります。
パソコン機能も進んでいて、スクリーン・リーダーやホームページ・リーダー、読み上げソフト、点字プリンタなど色々あるようです。
よう子はもともとは見えていたのですが、小学校中学年ぐらいからだんだんと見えなくなってきました。高校生の時に一時見えるようになったこともありますが。
福祉大学を出て、福祉事務所で働き、「視聴覚障碍者の読書感想日記」をブログにつけていたら、突然、出版社に勤める七瀬希子から連絡があり、彼女の会社のサイトでオーディオブックの書評を連載で書くように頼まれたのです。このことがきっかけで、視聴覚障碍者のシンポジウムや講演に呼ばれるようになりました。
嬉しいことに、自分の居場所ができたのです。
よう子と希子は月に2回、書評の締め切り日ではない木曜日に一緒にランチをすることにしています。
そんなある木曜日、よう子は希子にエッセイストの肩書きもつけませんかと言われます。書評に母とのことを書いたのをきっかけに、何か象徴的なエピソードを1つ選んで、それについて書いて欲しいと言うのです。
よう子は小学生から高校生までのカザマ君との思い出を書いていきます。
その頃、よう子はカザマ君には恋ともいえない淡い思いを抱いていたのです。
神楽坂で「古書Slope」を経営する本間は、週一回木曜日に五歳になる息子のふうちゃんと会えるのを楽しみにしています。
この頃、彼はたまに来るお客さんの”ちくま文庫の女”のことが気になっていました。彼女が買うのはいつもちくま文庫なのですが、それ以上に彼女を印象づけていたのが、右頬の傷痕です。
ある日、元妻が再婚し、アメリカに息子を連れて行くかもしれないことがわかります。本間は儲けの少ない古書店を売る決意をします。
そんな時に”ちくま文庫の女”が話しかけてきます。自分はS社の七瀬希子で、S社と組んで何かやってみないかと持ちかけられます。
希子はグリーン・ディレクターや漢方レシピ研究家、ヨガ・ティーチャーなどとのコラボ案を出してきます。
本間は思い切って住居であった二階をギャラリー&カフェスペースに改築することにします。
そんな折りに、ふと見たS社のサイトの”盲目の書評家、小説デビュー”という文句に惹かれ、読んでみると・・・。
題名を見ると、こっぱずかしくなる題名ですね。「奇跡」は奇跡ですが、わざわざ題名に出さなくてもと思ってしまいました。そのために感動も少なく、これが「奇跡」なのねで終わってしましました。
心が汚れている私です、ゴメン。
今度機会があれば、エリック・ホッファーの『波止場日記』を読んでみたいです。kindleにないので図書館で借りるしかなさそうですが、側に置いておき、気が向いた時に読みたいです。
オーディオブックは試したことがないので、今度聞いてみようかしら。
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