ジョン・J・ラム 『嘆きのテディベア事件』
2011-05-02


長野で読んだミステリーです。

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アメリカのミステリーは主人公が多種多彩で、色々とためになります。
今回はミステリー云々よりも、書かれているテディベアに関する薀蓄の方が面白いです。

勤務中の怪我のためにサンフランシスコ市警察強盗殺人課の刑事を辞めさせられたブラッドリー・ライオンは、妻のアシュリーの実家のあるレメルケンプ・ミルでのんびりと暮らす予定でした。
アシュリーはテディベア作家で、ブラッドリーは刑事を辞めてから彼女の手伝いをしています。二人のテディベア会社の名前は<ライオンさんちのトラとクマ>。かわいい名前です。

妻はスザンナと言うテディベアを”テディベア・フェスティバル”のコンクールに出品していました。
このテディベアは正確にはミス・スザンナ・S・セラフィムという名前で、手縫いのヴィクトリア朝風ドレスに麦わら帽子とワイヤーフレームの眼鏡をつけた、体長24インチのピンクのジャーマン・シュルテ・モヘアのテディベアです。(本の表紙の絵とは違いますね)
コンクールの発表がある日、出かける用意をしていると、飼い犬のキッチが川をじっと見ています。気になったブラッドリーが様子を見に行くと、岸から二十ヤードのところに男がうつぶせに浮いていました。

マサナッテン郡保安官助手は不慮の溺死として扱おうとしますが、元殺人課の刑事だったブラッドリーは絞殺であると助手に教えます。後からやってきた保安官は彼の言うことをまともに取らず、これは不慮の事故による溺死か自殺だと断定し、ブラッドリーに「よけいなお世話だ」と言うのでした。

一時は引き下がろうと思ったブラッドリーですが、”テディベア・フェスティバル”からの帰り道で、赤信号を無視していないにもかかわらず、保安官の息子の巡査部長に違反切符を切られてしまいます。

これがブラッドリーとアシュリーに火をつけました。
頭にきたブラッドリーは独自に川で見つかった男の捜査をすることにします。
もちろんアシュリーもブラッドリーに協力します。
おしどり夫婦探偵の誕生です。

何回も妻を今でも愛していると言うブラッドリー。いいですね。
我が夫はこの頃「なんでこんなに太っちゃったの?」としか言いませんわ。

そうそう、今回出てくるテディベアは”嘆きのテディベア”です。

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[コージーミステリ]

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