「英国王のスピーチ」を観る
2011-03-05


アカデミー賞の「作品賞」、「主演男優賞」、「監督賞」、「脚本賞」の四冠を取った映画です。私としては「助演男優賞」も取って欲しかったです。

そうそうヒュー・グラントがコリンの役を断って後悔しているそうです。彼が演じたらどうなったのかしら?アカデミー賞は…無理だったかもね。

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現エリザベス女王の父親、ジョージ6世は、兄がアメリカ人女性で離婚経験があるシンプソン夫人と結婚するために王様になった人。その彼が吃音だったなんて、知りませんでした。

父親のジョージ5世は厳格な人だというのがよくわかりました。映画で息子が吃音でスピーチを苦手としているのを知りながらも博覧会の閉会式でスピーチをやらせるところが出てきます。王族というもの、それぐらいできなくてどうするんだというスパルタ教育ですかね。

ジョージ6世が吃音になったのは、彼自身の性格や父親からの心理的圧迫、幼少期の乳母からの肉体的虐待、家庭教師の厳格な指導、左利きやX脚の矯正、兄との軋轢など色々な要因が関係していたようです。

ジョージは2人の子供にも恵まれ、結婚は幸せなものでした。王にならなかったら、のんびりと暮らせたのでしょうね。
夫思いの妻のエリザベス(エリザベス女王のお母様)は吃音を治してくれる治療者を探しまわっていました。

医師の治療の失敗に終わった後、オーストラリア人のスピーチ矯正専門家ライオネル・ローグのところにジョージを連れて行きます。
彼は今までの治療者とは違い、吃音になるには心が関わっているのだという考えでした。
ライオネルのユニークな治療方法に反発しながらも、いつしか彼のことを頼るようになっていくジョージ。

兄がシンプソン夫人と結婚するために王位を退いたため、思ってもいなかった王位につくことになってしまいます。
自分は王になるべき人間ではないという思いに苛まれるジョージにライオネルは、あなたは王様に相応しい人であると励まし続けます。

王様であれ、誰であれ、幼いころにお前はクズだ。お前はダメな奴だ。お前は・・・、と言い続けられていると、ジョージのように吃音にならなかったとしても、自分に自信がない人間になってしまいますよね。
ジョージ6世のような社会的責任のある人ならなおのこと、どうにかならない方がおかしいです。
そういう王様の人間らしさを赤裸々に描いたのが、この映画。
真に英国らしい映画です。
日本の皇室の映画って・・・できないでしょうねぇ。


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