ジータ・アナンド 『小さな命が叫ぶとき』
2010-04-02



ハリソン・フォードが映画にし、今夏スクリーンに登場するそうです。
難病物で、後記に書いてあるような話です。

「これはまさにアメリカの物語です。希望と、意志の力と、お金の賜物に他なりません。ハッピー・エンドになるのだと信じているからこそ成し遂げられたことです」

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三人の子供のうち下の二人がポンペ病という、治療法も薬もない病にかかった家族の物語です。

ポンペ病は筋力が徐々に弱くなり、歩けなくなり、顔の表情もなくなり、食べられなくなり、呼吸もできなくなり・・・やがて死んでいくという病です。
遺伝子異常で、グリコーゲンを分解する酵素が不完全だったり、全く存在しなかったりすると引き起こされるそうです。

アメリカに住んでいるジョン・クラウリーはポンペ病の子供のために、コンサルティング会社を辞め、ポンペ病の財団を設立し、新薬を開発するための会社を作り、薬を開発し、自分の子をその薬の臨床試験の対象になるようにと頑張ります。
しかし、臨床試験の対象は1歳以下の子供に限られており、彼の子供は大きいため、治療対象にはなれません。
ジョンと妻アイリーンの苦悩は計り知れません。

ジョンという人は努力家で、アメリカン・ドリームの体現者というにふさわしい人です。
彼のようなバイタリティー溢れる人がいたからこそ、彼の子供たちは病気ながら、恵まれた暮らしが維持できています。

普通の家族なら、どれほどのことを子供にしてあげられるのかしらと、思ってしまいました。
もし、日本なら、どういう暮らしになるのでしょう?
子供手当や高校無償化もいいけれど、切実に助けの必要な人たちのために税金を使って欲しいなと思います。
[外国文学]

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