柴田よしき 『所轄刑事・麻生龍太郎』
2026-08-02


麻生龍太郎が刑事になったばかりの頃のお話、五篇。

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二十五歳になったばかりの麻生龍太郎は、所轄高橋署の刑事課強行犯係の新米刑事。
剣道に夢中になり、剣道の強い私立高校に進み、奨学金を受けて剣道で有名な大学に進み、剣道が続けられるからと警察官になった。
白バイの警官に憧れていたがなれなかった。
自分は警官に向いていないのではという迷いがある。

「大根の花」
麻生龍太郎は定年まで数年という今津と一緒に器物損壊事件がこの半月ほどで三件起きている門前仲町の商店街の路地に行った。計画的な非力の者の犯行のように思えた。被害者からの聞き込みから浮かび上がった犯人は…。

「赤い鉛筆」
自殺と思える女性の死体が見つかったが、首をくくった紐が見つからなかった。
彼女はプロ校正養成コースに通っていたというが、校正の講座に関連したものも見つからない。疑問に思った龍太郎たちが聞き取りを進めていくと…。

「割れる爪」
現行犯逮捕された女が名前を「はなこ」と言ったっきり黙秘を続けている。麻生が質問を続けていくと、被害者を知っているかという質問で女は首を縦に動かした。それから女は首を振って質問に答えるようになる。
龍太郎は被害者と「はなこ」の接点をはっきりさせるために自ら聞き込みに行く。

「雪うさぎ」
龍太郎が大学の先輩で警部補の及川の部屋に泊まりに行き、帰ろうと外に出たときに幼女の泣き声が聞こえて来た。マンションの部屋から出られず、おしっこがしたくなったようだ。電話で消防署と所轄署に連絡を入れてから龍太郎は部屋に押し入り幼女を助けるが、彼女の母親は…。

「大きい靴」
庭から逃げ出した犬が人間の手首をくわえて戻って来たという。龍太郎は犬の行動を洗い出す聞き込みを始める。


麻生龍太郎は新米刑事の頃から生来備わっている刑事に必要な勘や観察力、洞察力、推理力などを活かして事件を解決していったようです。
この頃から警察に馴染めなかったようですね。
彼の同僚から一歩退いた感じが、俯瞰的に事件を見られていいのかもしれません。
私生活でもそういう感じがあり、それが壁を作っているように思われ、人によっては冷たく感じられたり、拒否されていると思われたりするのでしょうね。

そうそう、及川のことを書いておきましょう。
「雪うさぎ」では及川は二十八歳の警部補です。
彼は麻生の大学の剣道部の先輩で、龍太郎は彼の付き人をしていました。
(本に書いてある付き人って奴隷みたいなものです。強いスポーツ校って、本当にそんなことをやっているのですかね)
前の年に剣道の世界選手権で優勝しましたが、選手権後すぐに利き腕の負傷をし、引退しました。

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[日本ミステリ]

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