お玉は深川の水茶屋ささげやの女将。
亭主といっしょに店を営んでいたが、亭主が亡くなり、彼が作っていた名物の豆餅をお玉が作るようになってから味は落ちるばかりで、お客も少なくなるばかり。
しかし、お玉には人には知られていない裏家業があった。
人の掌に触れると、その人の近い将来が見えるのだ。
相談事のある人は、「豆は煮えたが」という符牒を告げねばならない。
「豆は煮えたか」
ある夜、お玉は怪我をした男に助けを求められる。男は新次郎と名乗り、賭場で知り合った女遊客と深間にはまり、女が侠客の情人であったため、仕置きを受けたという。新次郎は菓子職人だった。
「身のほど知らず」
竹原白斎は江戸で指折り数えられる易者の一人だが、自分の易断に自信が持てないでいた。易者は自分のことは占えない。今年の正月、挨拶回りに行くと、どの贔屓筋の家からも冷たく当たられ、その後に寝込んだ。よくなってから弟子の三太を連れ、客が噂していたささげやに行ってみる。
「いつ咲く」
植木屋寺嶋屋の主人、伊織は恵まれた生まれながら、父のようになれない自分を持て余し、女と遊びにかまけて、酒々落々と生きて来た。しかし、世間は五代目の伊織に期待しており、平凡であることを許してくれない。五代目としてどう生きたらいいのか、わからなかった。ある集まりでささげやの女将のことを聞き、ささげやに行き、符牒を告げると…。
「雲隠れ」
おかつはどこで何の奉公をしても続かなかった。最後の料理茶屋で放り出されてから、あてもなく歩き、ある店の縁台に腰かけていると、女将に声をかけられ、お茶と出来損ないの豆餅をご馳走になる。いつしかおかつは「わたしをここに置いてくれませんか」と訊いていた。
その頃、ささげやに新次郎の元情人の女が数人の破落戸を引き連れてやって来て、店に迷惑をかけるようになる。
「宝引き」
易者の八斎(三太)は具合の悪くなった宝引きの女とその女といっしょにいた女の子を押し付けられる。困った八斎は二人をささげやに連れて行って、面倒をみてもらう。実は宝引きの女にはお玉とは違う不思議な力があった。
「くらぶ者なき」
新次郎とおかつの夫婦にこどもが生まれ、お玉は彼らに店を任せ、占い稼業は続けている。
ある日、伊織から誰とは言えない特別な客をみてもらいたいと頼まれる。
私は三太とおかつが夫婦になるのだと思っていましたが、違いました。
なんでおかつは三太にきつく当たるのか不思議です。
そんなおかつが私は好きにはなれませんでした。
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