アンソニー・ホロヴィッツ 『マーブル館殺人事件』
2025-09-22


<アティカス・ピュント>シリーズの三作目。

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スーザン・ライランドはクレタ島でパートナーのアンドレアス・パタキスいっしょにホテル経営をしていたが、彼と別れ、イギリスに帰国した。
フリーランスの編集者として働いていたところ、≪コーストン・ブックス≫の発行人、マイケル・フリンから呼び出される。
故アラン・コンウェイの代わりにエリオット・クレイスが書き継いだ<アティカス・ピュント>シリーズの続編を編集してほしいというのだ。
エリオットは英国でもっとも成功した児童文学作家ミリアム・クレイスの孫で、書く才能がないというわけではないが、いかんせん素行が悪かった。
断りたかったが、金銭的に逼迫していたので、そうもいかない。
とりあえずスーザンはエリオットの書いた原稿を読んでみることにする。

アティカス・ピュントはベンスン医師の診療所でレディー・マーガレット・チャルフォントに再会する。
彼女は再会を喜び、相談したいことがあるから手紙を書くと言って去っていく。
その後送ってきた彼女の手紙に切羽詰まった様子が見受けられ、ピュントは助手のジェイムズ・フレイザーとともに列車でコート・ダジュールに向かう。
しかし、ピュントは間に合わず、レディ・チャルフォントは毒殺されてしまう。

途中まで読んだ原稿はエリオットの家族関係が反映されているようだった。
エリオットから不穏な話を聞き、スーザンは彼の祖母ミリアムのことを知ろうと家族や関係者から話を聞いていくと、余計な詮索はするなとミリアム・クレイス財団から脅される。

前回のことがあるというのに、スーザンは再び深みにはまっていくことに…。

ホロヴィッツに慣れたのか、三冊の中では一番読みやすくて面白かったです。
エ、真相ってそうなの…と、ちょっと物足りなく感じましたが。
前回までのあらすじを覚えていなくてもたいした問題はありませんでしたが、できれば『カササギ殺人事件』から読みましょう。
アメリカのスリルやバイオレンスたっぷりのミステリよりもこんな感じの人間ドラマのあるミステリの方が好きです。

それにしてもスーザンはお馬鹿さんですねぇ。
止めればいいのに、自分から火中に飛び込んでいくのですから。
私は何回も止めな、と声をかけましたよ。
編集者って人格に問題がある人が多いんですかね。

ニャンコが出てきたのに、スーザンが猫嫌いであまりかまわず、ニャンコが痛い目に遭って可愛いそうでした。

<シリーズの順番>
@『カササギ殺人事件
A『ヨルガオ殺人事件
B『マーブル館殺人事件』(本書)


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