中山七里 『武闘刑事』
2025-07-02


早いもので、もう七月になりました。
年々、一年が過ぎるのが早くなります。
そう思えるのは、「ジャネーの法則」で説明されているそうですが、その他に日常がルーティン化しているからということもあります。
何か新しいことをしてみるのがよいというので、Duolingoで途中になっていたフィンランド語をオンラインで学習してみることにしました。
4月開講の初心者クラスなので、他の受講者たちは私よりも先を行っていますが、頑張って追いつきます。(できるかなぁ?)

高頭冴子シリーズの三巻目。

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千葉県警捜査一課所属の郡山弦爾が親しくしていた、同じマンションの隣室に住む小湊雪美と娘の真央が至近距離から銃で撃たれ殺される。
見つかった弾丸は米軍の軍用モデルのSIG SAUER P320に採用されているパラベラム弾。
射入角度から犯人のおおよその身長は百七十五から百八十センチの間。
そして防犯カメラと米兵の証言から、容疑者として横田基地所属の在日米軍曹長スチュアート・ヒギンスが浮かんできた。
スチュアートに事情聴取をしようとするが、横田基地からは証拠不充分であるという回答が来て断られる。

このままでは引き下がれない高頭は横田基地での張り込みを開始するが、在日米軍司令部から警察庁経由でクレームが来る。
それでも食いついて行くのが高頭。
日米友好祭に乗り込み、スチュアート軍曹を基地の外へ連れ出そうとするが、郡山が捕らえられてしまう。

高頭たちの前に日米地位協定という壁が立ちはだかる。

前の二作と比べると派手な武闘場面はありません。
あの高頭冴子と郡山弦爾が珍しく頭を使っているというのが面白いですね。
読んでいくと郡山がなかなか釈放されないのでイライラしました。
犯人の動機がイマイチです。

調べてみると、米軍関係者の一般刑法犯の起訴率は1割から2割、不起訴率は8割から9割で、日本全国では起訴率が約3割から4割だそうです。
米軍関係者だけではなく、ニュースなどで問題になっている某国の人たちの不起訴率はどうなんでしょうね。

現代の社会問題を扱ってくれる中山七里さんなので、これからも色々と書いてくれることでしょう。期待しています。

<高頭冴子シリーズ>
@『逃亡刑事』
A『越境刑事
B『武闘刑事』(本書)

[日本ミステリ]

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