アート業界を描いた本
2025-06-07


一冊目は美術品のオークション、二冊目はキュレーターを扱った文庫本です。

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一色さゆり 『オークションの女神』
つぎの日曜日に「東京オークション」は社運を賭けたオークションを開催する。
競売の目玉になるのは、ウォーホルの≪192枚の一ドル札≫やピカソの陶芸品。
マネージャーの冬城美紅のアシスタント、小洗凛太郎は慣れない仕事できりきり舞いの毎日だ。

オークションまで後六日という時に、爆破予告がある。
それだけでも大変なのに、ウォーホルを何としてでも落札したいという日本有数の資産家一族のワガママな令嬢や絵を売った金を使い、冷えきった夫婦関係をもとに戻したいサラリーマンコレクター、画廊経営に行き詰まり、絵を高く売るために道を誤りそうになるギャラリーオーナー、ライバル社「キャサリンズ」など様々な人たちの思惑が絡み合う。

はたしてオークションの女神は誰に微笑むのか。

一色さんのアートの世界を扱った本は面白いです。
オークションのことを知らなくても全く問題ありません。
短編集かと思ったら違いました。
全く関係のなさそうなお話が最後にまとまるところがいいです。

ウォーホルやポロック、ダリの逸話が出てきます。
そんなものを知らなくてもいいんですが、知るとより深くアーティストのことが理解できるような気がします。

美紅の実家は骨董屋で、彼女はそこでふたつのことを学んだそうです。

「ひとつは物の価値なんて不確かだってこと。(中略)もうひとつの学びは、その価値を決定する権利は、持ち主や見る者に委ねられるってこと。結局、美術品の本質なんて信じられるかどうか。アートは理解するものでなく、信じるものだから」

ようするにアートは自分がいいと思えばいいってことですね。

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望月麻衣 『京都寺町三条のホームズ・22』
新型コロナウイルス蔓延のためニューヨークへの留学を諦めた真城葵は家頭清貴と約一年間の同棲生活を送り、大学を卒業してから籍を入れた。
就職活動は上手くいかず、やっと内定を取れた広告代理店ではやりたかった企画の仕事はできず、向かない経理をやらされ、先輩男性によるセクハラもあり、事業縮小で大阪事務所が撤退になったのを機に会社を退職せざるおえなくなった。
葵の初めての挫折だった。
そんなこともあり、葵は『蔵』で正社員の『美術補佐人(アート・アドバイザー)』として働くこととなる。

そんなある日、サリー・バリモアのアシスタントでキュレーターの藤原慶子が『蔵』にやって来る。

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[日本文学]

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