スウェーデン・ミステリー、「Novaシリーズ」の一作目。
国家作戦局(NOD)主任警部のエヴァ・ニーマンのところに手紙が届く。
手紙は、気候変動の危機を叫ぶ一般的な抗議文に、不吉な終末論を織り交ぜながら、最近起きたふたつの事件を取り上げ、まだ起きていない爆破事件が起こることを予告していた。
ふたつの事件とは、1週間前に高速道路を走行中だった大手製鉄会社<SSAB>の部門長のBMWが爆破された事件と広告会社<フラット・ブローク>の広告マンがヴァーサ公園に吹き飛ばされた爆破事件のことだ。
<SSAB>は気候変動の加害企業で、<フラット・ブローク>は石油産業の一大広告キャンペーンを手がけていた。
エヴァは”破壊しつくされた廃墟”という手紙の中の言いまわしが気になった。
その言葉は15年前に先端技術の活用を拒否したため、誘拐事件の捜査に失敗し、警察を辞め、森で隠遁生活を送る、エヴァの元上司であるルーカス・フリセルのものだった。
エヴァが率いる捜査グループNovaが内密にこれらの事件を追うことになる。
捜査グループNovaのメンバーはエヴァの他に、ソーニャ・リド、アンニカ(アンカン)・ストルト、シャビール・サルワニ、アントン・リンドベリの四人。
ふたつの事件は気候変動を動機とするテロリスト集団による犯行なのか。
それともルーカス・フリセルによるものなのか。
予告された第三の事件はどこで起こるのか。
捜査の甲斐なく、やがて第三の事件が起こる。
アルネ・ダールと合わないのか、それとも翻訳家と合わないのか、とても読みずらかったです。
次々と爆破事件が起こりますが、なんか進み方がダルダルで、スピード感や緊迫感がなく、犯人の動機がイマイチでした。
続くみたいだけど、たぶん読まないでしょう。
珍しく、ストレスフルなミステリでした。
「プレッパー(prepper)」という言葉が出てきたのですが、「prepare」が語源で「備える人」の意です。
大災害や経済の崩壊、戦争などの緊急事態に備えて、食料を備蓄し、自給自足の生活をしたり、核シェルターを作ったりする人(「デジタル大辞泉」等参考)のことだそうです。
本の中で、ルーカスは森の中に住み、人との接触をできるだけ絶っていたようですが、プレッパーというよりもサバイバリストに近いのじゃないでしょうか。
プレッパーが一番多いのはアメリカらしいです。
土地が広いからでしょうか。
日本ではなかなか無理そうですww。
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