原田ひ香 『月収』
2025-03-29



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「第一話 月収四万円の女 乙部響子(66)の場合」
乙部響子は一年前に離婚してひとり暮らしをしている。
娘の時衣は結婚していて、孫がひとりいるが、婿があまり口出しをするなという感じだ。
離婚した時に賃貸アパートを借りようとして断られ、不動産屋にたきつけられて三百万で家を買ってしまう。
年金は四万円だが、国民健康保険料と介護保険料を払うと三万円になる。
わずかな貯金が残り少なくなり仕事を探そうと思っているが、何ができるのか。
ある日、家に全身刺青の若い男がやって来る。

「第二話 月収八万円の女 大島成美(31)の場合」
大島成美は鳴海しま緒というペンネームで、三年前に純文学系の文学新人賞を取った。
派遣社員として働いているが、年収が二百万円台だったため、単行本が売れ、七百万ほどの現金が手に入って嬉しかった。
しかし、それからがいけなかった。
作品を書いても書籍にはならないのだ。
自分は職業作家にむいていないのではないかと思い始める。
そんな時に、同年代の小説家に誘われて出席したパーティで実業家の鈴木菊子に出会う。

「第三話 月収十万円を作る女 滝沢明海(29)の場合」
滝沢明海は一流自動車メーカーの子会社に勤め、新規事業の美容家電の企画と試作の仕事についている。
だが、母親は明海の仕事を理解せず、転職しろと文句を言う。
なにしろ働いたことのない女で、離婚した後も元夫のキャッシュカードを使っているのだ。
このままで行くと母親の介護をしなければならなくなる。
そんなのは嫌だ。仕事は続けたい。
先立つものは金だ。
明海は五年だけ新NISAで投資をしようと思い立ち、独身寮に入り、住居費を節約することにするが・・・。

「第四話 月収百万の女 瑠璃華(26)の場合」
瑠璃華はデートクラブに所属し、パパ活で稼いでいる。
20代のうちに一億稼ごうと決めている。
ある日、マネージャーから変わった依頼を紹介される。
鈴木菊子という小説家がご馳走するし、お金のサポートもするから、パパ活している女性の話を聞きたいというのだ。
何度か会い、食事をするが・・・。

「第五話 月収三百万の女 鈴木菊子(52)の場合」
鈴木菊子は武蔵小杉のタワーマンションに住んでいる。
夫が亡くなった時に、渋谷の一棟ビルと株や投資信託などの有価証券を受け継いだ。
それに自分の金融資産を含めて、ひと月に三百万ほどの金が入る。
しかし、何もすることがない。
いつものように、朝の株価チェックのあと、SNSを眺めていると、タケトという若い不動産投資家の物品援助を求める投稿が目に溜まった。
菊子はタケトに寄付をすることにするが・・・。

「第六話 月収十七万の女 斉藤静枝(22)の場合」

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