『どうせそろそろ死ぬんだし』&『一次元の挿し木』
2025-03-21


2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作の二作品を読んでみました。
『このミステリーがすごい!』大賞はひとつだけかと思ったら、文庫グランプリなどというものもあるんですね。知りませんでした。

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香坂鮪 『どうせそろそろ死ぬんだし』
元刑事の私立探偵・七隈昴は助手の薬院律を連れて、余命宣告をされている人たちが集う交流会<かげろうの会>にゲストとして参加する。
<かげろうの会>のメンバーは十五名で、交流会はこれまでに三回、市の公民館で開催され、参加者はそのときどきによって違っていた。
四回目の今回は会長の茶山恭一の別荘”夜鳴荘”で開催される。

参加者は、会長で元総合病院の精神科医であり肺癌の茶山と開業医で糖尿病の次郎丸誠、会社取締役で胃癌と糖尿病の六本松唐人、記者で喉頭癌の賀茂慶太、専業主婦で乳癌の橋本ひな子、美大生の南春奈の6人に茶山の孫で料理人兼使用人の千崎桜子と七隈、律の計9人。
なお七隈はI型の糖尿病で、律は研修医だったが、婚約者で次郎丸の孫の紗耶香が不慮の事故で亡くなってから休職している。

その夜、七隈と律は交流会のメンバーたちと食事をし、ミステリ好きの彼らにちょっとした探偵業の話をして親交を深めた。
しかし翌朝、賀茂が死んでみつかる。

他殺か自然死か。
他殺なら、どうせ死ぬ人間を、わざわざ殺す理由はなんなのか。
七隈たちは死因の調査を始める。
同じ時に南が描いた絵がめちゃくちゃに裂かれていた。
賀茂の死と何か関係があるのか。

次の日、意外な人が亡くなる。

期待して読んでいったのですが、意外性はありましたが、残念な出来でした。
そういえば私は『このミステリーがすごい!』大賞とは相性が悪いことを忘れていました。
新人の方ですので、賞をもらい、これからという感じですね。
頑張ってもらいたいですね。


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松下龍之介 『一次元の挿し木』

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[日本ミステリ]

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