ティファニーは兄の跡を継ぎ、ボーフォート公爵家本宅、アストウェル・パレスの図書係になり、ブリストル・コッテジを手に入れた。
しかし、いいことは続かない。
ある日、仕事に行こうと外に出てすぐに、何かにつまずいてしまう。
それは、男性の死体で、ボーフォート公爵家に仕える元フットマン、バーナード・コラムだった。
一体、彼はここで何をしていて、だれに、どうして殺されたのか。
ティファニーは治安官であるサミール・ラスロップに同行して、バーナード・コラムについて聞いて回る。
ティファニーはサミールを愛していた。
しかし、バーナード・コラムの姉のイーヴィという女が現れ、彼女とサミールは夫婦だと言う。
十一年ちかくまえに結婚したが、イーヴィはすぐにバーズリーの鍛冶屋のところに行ってしまい、それ以来二人は会っていない。
それなのに、彼女は妊娠していた。
そうするうちに、バーナード・コラムの父親が、バーナードがサミールを脅しているのを聞いたと言い出し、それを根拠にサミールは逮捕されてしまう。
ティファニーは愛する人のために、たとえ二人は結婚できないとしても、自分自身で本物の殺人者を見つけようと決意する。
ティファニーに次々と試練が与えられています。
サミールはインド系なので、人種差別をされることが多く、たとえ治安官をしていても簡単に逮捕されてしまうのです。
あとがきによると、被告は「証拠の記録」も見られず、自らを守るための意見を述べることもできなく、裁判は迅速に行われ、判決も迅速に出され、1868年まで公開処刑が行われていたそうです。
誤認逮捕が沢山ありそうですね。
この本によると、ティファニーの生きている十八世紀のイギリスでは、離婚はめったになかったそうです。
もちろん、裕福な上流階級の人は例外ですよ。
でも、抜け道はありました。
女性にとっては屈辱的なことですがね。
ホント、この時代に女性として生まれなくてよかったと思います。
三作目は出版されるのかどうかわかりません。
これで終わってもいいのですが、私はティファニーにもっと毒づいて欲しいですけどねww。
18世紀の人種差別問題やフェミニズムなどに触れたコージーミステリって感じです。
興味のある方はお読みください。
セコメントをする