2024-01-18
人の悩みは様々。そんな人たちにもも吉はそっと寄り添い、的確なアドバイスを施します。
第一話では自分の心次第で物事の見方が変わることを教えてくれます。
第二話には商いをする時に役立つ教えが書かれています。
第三話では朱音がまたまた活躍してくれます。わたしとしては夢遊さんの気持ちに応えて欲しいな。
第四話では陶子の隠された思いが明らかになります。
第五話は涙なくして読めません(たぶん)。
もも吉が世の中のままならぬことを、『出会いもん』として考え、生きてきたのです。そんな彼女だからこそ、沢山の人たちにいいアドバイスができるのでしょう。
最後に食いしん坊の隠源住職の言葉を書いておきます。
「まず自分が幸せにならんと、他人を幸せにでけへんさかいなぁ」
巻末に京都の美味しいお店が載っていますので、ご参考に。
日本橋二十一屋通称「牡丹堂」で働く小萩は、小萩庵でお客の依頼に基づいたお菓子を考え、作っている。
「鹿の子の思い」
ある日、小萩庵に紺屋(染物屋)の十歳の娘、茜がやって来る。
彼女の店で働いている職人の岩蔵に、自分の父親になってもらいたいという願いを込めたお菓子を作って欲しいという。
小萩は彼女の母が得意だという鹿の子絞りにかけた鹿の子と、一見無骨で内側に軽やかで繊細なものをもつ岩蔵を表す練り羊羹の二つを作り、茜の書いた文を添え、岩蔵に持っていくが…。
「黒茶、花茶に合うお菓子は?」
二十一屋は西国の大名、山野辺藩の御用を賜っている。このほど新しい留守居役が着任することになり、顔合わせの場を持つこととなる。
しかし、その日は札差の箔笛の別邸で茶会がある。その茶会では清国のお茶を三種類出すという。そのためお茶に合うお菓子を三種類考え、作らなければならない。
その上、葬式饅頭百個も頼まれる。
顔合わせの当日、二十一屋は総勢七人で山野辺番の髪屋敷に行くが、途中で三人が抜け出す。
しかし、それが見つかり、新しい留守居役から咎められる。絶体絶命の危機。
「とびきりかたい、かりんとう」
小萩庵に国学者・学而の妻、お香とその娘のお花がやって来る。学而が煙草を吸いすぎるので、控えてもらうためのお菓子をお願いしたいという。
話し合いの結果、お菓子の他に謎をかけた和歌を添えることになる。
小萩がお菓子を届に行くと、文治郎という男がいて、禁煙に失敗した学而をからかう。そのため学而はへそを曲げてしまう。せっかくの妻と娘の心遣いがダメになってしまうのか?
「吉原芸者の紅羊羹」
小萩庵に吉原芸者の千代菊がやって来る。このたび二挺鼓の打ち手としてのお許しをいただいたので、自前芸者になるお披露目のお菓子を頼みたいのだという。
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