畠中恵 『こいごころ』
2022-08-19



禺画像]

しゃばけシリーズの最新刊。五つのお話。
表紙の狸さんがカワイイですね。

「おくりもの」
廻船問屋兼薬種問屋、長崎屋の若だんなの一太郎は贈り物について悩んでいます。
長崎屋とつき合いのある商家、三野屋の当主が父の藤兵衛に縋ってきたのを聞き、若だんなも考えてみたのです。
ことの始まりは、三野屋の上の子がはしかに罹り、まだ発疹があるのに、瀬戸物問屋伊和屋の息子たちと遊びたくて、伊和屋に行ってしまったことです。
それから伊和屋の息子たちだけではなく、子どもの世話をしている主の妹、お沙江まで麻疹に罹ってしまい、運の悪いことにお紗江は治った後に床に伏す日が長く続いているというのです。
お詫びに甘味を持っていったのですが、もう一回、詫びの品を贈りたいので、何がいいかということなのです。
妖たちと話し合い、若だんなたちは伊和屋に客として行ってみることにします。

「こいごころ」
若だんなのところに厄介なお願い事が持ち込まれます。
熱があるというのに、夢の中にやって来たのが、妖狐の老々丸とその弟子の笹丸。
老々丸は笹丸の力が尽きかけているので、若だんなの祖母のおぎんのいる荼枳尼天の庭に入れてもらえないかと言うのです。
その時、誰かが夢を引き裂いてしまったため、若だんなと小鬼たち、老々丸、笹丸は遠くに吹き飛ばされてしまいます。
飛ばされた若だんな達は、寛朝のいる広徳寺に向かうことにし歩いていると、途中で化け狸の田貫屋に出会います。田貫屋は広徳寺の金印を食べてしまい、糞と一緒に出てくるのを待たれていたのに、身の危険を感じ、広徳寺から逃げて来たのでした。
田貫屋を連れて広徳寺に着いた途端に若だんなが倒れてしまいます。
寝るとすぐに悪夢を喰らう漠、場久が現れます。
若だんなが広徳寺にいることを聞き、場久はひとまず安心したのですが、笹丸を見ると様子が変わり、老々丸と笹丸は何を本当に望んでいるのかと知りたがります。
笹丸は若だんなとまた会いたかったのだと答えます。若だんなは覚えていなかったのですが、前に二人は会っていたのです。
とりあえず妖狐達は広徳寺に置いてもらえることになりますが、気づくと田貫屋がいません。
若だんなは田貫屋を探すために長崎屋の妖達を呼びます。
田貫屋は見つかるのでしょうか。そして笹丸は…。

「せいぞろい」
長崎屋では一太郎の誕生の日のお祝いをすることになります。
しかし妖達は加わることができません。
妖達を可哀想に思った一太郎は、妖達だけの宴をすることにします。
しかし、そのことを聞きつけた日限の親分が参加すると言い出したのが発端に、次々と…。

「遠方より来たる」

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