烏丸尚奇 『呪いと殺しは飯のタネ 伝記作家・烏丸尚奇の調査録』
2022-05-01


フランスでは5月1日は「ミュゲ(muguet)の日」と呼ばれ、愛する人やお世話になっている人にスズランを送る習慣があるそうです。
そんな訳で、スズランの写真を載せておきます。

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「Je porte bonheur(私は幸せを運ぶ)」って言って渡すといいって。


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第20回「このミステリーがすごい!大賞」隠し玉作品。
「このミス」は外れが多い(と私だけが思っている)のだけど、この作品は当たりでした。
烏丸さんは現役の医師だそうです。

デビュー作で自分の過去のトラウマを素材にして王道のミステリーを書き、賞を取り、そこそこ売れたのだが、その後アイディア欠乏症になってしまった烏丸尚奇は、今は伝記小説を書いて暮らしている。それでもまあまあ売れている。

新渡戸稲造を最後に伝記小説を書くのを止めようと思い、編集者・尾長澪を自宅に呼んだ日、ある大企業の創始者・深山波平の伝記執筆依頼が来ているのを知らされる。
報酬額は予想額の三倍以上だったが断る。しかし金銭以外に「貴方の浸かっているぬるま湯に、火花飛び散る裸電線を放り込むような刺激を約束します」と書いた紙があり、烏丸は「感電死するほどの刺激」に惹かれ、引き受けることにする。

<要項>に書かれている「10月1日から一ヶ月間、故人の残した邸宅に滞在し、執筆に専念すること」に基づき、烏丸は深山波平の出身地であり、晩年を過ごした長野県蝶野森市に電車で向かう。
電車の中で出逢った蝶野森市に住んでいる青年に、「深山家は呪われている」と言われ、俄然興味を持つ烏丸。
深山家の屋敷に滞在しながら調べていくと、波平の妻は自殺、次女は失踪。波平が心筋梗塞で亡くなった後、残された長女は植物状態になっていた。
しばらくして烏丸は隠された怪しげな部屋を見つける。

グロい内容が含まれますので、それが嫌な方は読まない方がいいです。
私もそういうのが嫌いですが、それでも最後まで面白く読み進めていけました。
夫も面白かったと言っています。
もしかしてシリーズになって、あの人が…、なんて思ったりしますが、そういえば有栖川有栖みたいに作者と主人公の名前が一緒ですね。
何か意味があるのかしら?


<今日のわんこ>

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お散歩先で水を飲まそうとすると、そっぽを向く兄犬。
湿気が多いので、喉は乾かないのかな。

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相変わらず携帯のカメラを向けると見ないようにする兄犬です。
今日は数匹の犬に会い、吠えまくっていた兄(ごめんなさい)。

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