アン・クリーヴス 『青雷の光る秋』
2021-03-17


<シェットランド四重奏>、最終章。時は十月。

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シェットランド署の警部・ジミー・ペレスと画家のフラン・ハンターは無事に婚約し、次の年の五月に結婚することになりました。
そのため二人はペレスの両親に会うためにフェア島に行きます。
ペレスの母親のメアリは訪問看護婦として島にやってきて、ジェームズ・ペレスと結婚し、小農場の仕事をやっています。
父親のジェームズは郵便船の<グッド・シェパード>号の船長で、スコットランド教会の平信徒説教者をつとめています。
ペレスの結婚には二人とも喜んでおり、メアリは彼らの意向も聞かず、彼らが来た次の日に婚約パーティを予定していました。

婚約パーティが開かれたのはフィールドセンターでした。
フェア島に1950年代から博物学者たちが来ており、港近くの木造のあばら家で活動していましたが、北灯台が自動化されたときに、大がかりな資金調達運動が起き、北灯台が最新設備のととのったフィールドセンターに改装されたのです。
センターでは科学的な調査が行われておりましたが、宿泊施設もあります。
センターは五年前からセンター所長のモーリス・バリーと彼の妻で元BBCの博物学番組の解説員で有名な監視員のアンジェラ・ムーアが仕切っています。
腕のいい料理人のジェーンが来てから、しだいにセンターでパーティが開かれるようになっていました。

婚約パーティの翌日の朝、フィールドセンターの鳥部屋でアンジェラが背中をナイフで刺され、殺されていました。
天候が悪化しているため、島への飛行機も船も欠航し、ペレスは単身で捜査をしなければならなくなります。
しかしペレスの奮闘も空しく、次なる殺人が起こります。

フランと一緒にペレスの故郷にやってきたというのに、殺人事件が起こるなんて、ついていない二人ですね。
犯人はセンター内にいる誰かなのは確実なのに、なかなか判明しません。
全員がフェア島の出身者ではないので、ペレスには不利なようです。
今までのペレスの捜査方法が役に立つのでしょうか。
衝撃のラストです。

<シェットランド四重奏>は終わりますが、続きが『水の葬送』から始まります。

[外国ミステリ]

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