M.C.Beaton 「Hot To Trot」
2021-01-25


容疑が晴れ家に帰ると、ロイがやって来ます。彼はチャールズとメアリーの結婚に関わる金銭的取り決めを探ってきていました。
簡単に言うと、メアリーが死んだので、彼女の財産はすべてチャールズのものになり、彼はもうお金の心配をしなくてすむようになるのです。
このことはチャールズの殺人の動機になりえます。
お金に汚い義理の父親のDarellは、チャールズが殺人犯になれば娘の財産が自分のものになるので、チャールズが娘を殺したと言いたてて、知り合いの大物たちを動かそうとしています。
このままではチャールズはアガサと共謀して殺人を犯したとされそうなので、アガサの探偵事務所と契約し、犯人を捜すことにします。

アガサたちが調べたところ、メアリーは馬術競技にハマっていました。
そこでメアリーの乗馬友だちの中で彼女を殺したいほど恨みに思っている人がいないかを探ることにします。
たまたまMircester Manor Parkで開催されていたチャリティーイベントに行き、話を聞こうとしますが、Darellから手が回っているのか、誰もアガサたちと話をしようとはしません。(馬術をやる人ってスノッブなのね)
困っていると、アガサの家を掃除してくれているDoris Simpsonが声をかけてきます。娘のZoeが乗馬をやっているので、話をしてくれそうなTamara Montgomeryを紹介してくれます。
このことが突破口になり、アガサはTamaraからDeborah Lexingtonを、DeborahからColonel Steven Warbler-Dowを、そしてColonelからClaudette Duvivierを紹介され、Claudetteの誘いでフランスのボルドーまで競技会を見に行くことになります。
そこまでしてわかったことは、メアリーはクソ女(失礼)で、彼女に恨みを持っている人が多いということです。
他人の馬に薬を盛ったり、人目のないところでライバルに怪我をさせたりと色々やってくれています。手が出るのはアガサだからというわけではなかったのですね。危険な女でした。
ついでに父親のDarellの秘密までわかりますが、なかなか犯人特定までには行き着きません。
あることをきっかけに一気に犯人逮捕といきますが、アガサたちは危ない目に遭い、意外なことにColonelが白馬の騎士のように助けに現れます、笑。

残念ながらビートンさん逝去のため、アガサ・レーズン・シリーズも中途半端で終わってしまいました。
アガサはチャールズのことを誤解したままですし、傷心のアガサはロマンチックになったジェームズの優しさにまいってしまいそうな感じです。
私が思うに、ビートンさんが続きを書いても、アガサはチャールズかジェームズか、どちらかに決められないで終わってしまうんじゃないかしら。
アガサはアガサですからねぇ。

ビートンさんのご冥福をお祈りいたします。


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