「本格ミステリ・ベスト10」と「このミステリーがすごい!ランキング」で8位になっている本です。
大分前に読もうと思ってkindleに入れておいたので、読んでみたら面白いのですぐに読み終わりました。
南アフリカで産まれ、アフリカを転々とし、ニュージーランドに移住してきたフィン・ベルは、南の果ての崖に宙づりになっていました。
うわべでは仕事も上手くいき、裕福で、友人も、尽くしてくれる妻もいたのに、フィンの毎日は充実とはほど遠く、酒浸りの生活を送っていました。
そんな生活は続くはずもなく、酒を飲んで運転し、駐車中のトラックに追突し、車椅子生活を余儀なくされ、妻とは離婚。
そして宙づりになる五ヶ月前に、フィンはリヴァトンという小さな港町に近い、南の果ての人里離れた海沿いのコテージを手にいれていました。
コテージに住み始め、町に行き銃を買い、店を出たところに電話が来ます。
新しいセラピストのベティ・クロウからで、すぐにカウンセリングに来るように、そしてついでに美容室から糖蜜の瓶を引き取ってきてくれと申しつけられたのです。
ベティはここにフィンが死にに来たということを見抜いていました。
カウンセリングの最後にフィンに自分が人生の落伍者(dead lemons)なのか見極めろと言い、宿題を2つ与えます。
カウンセリング後に美容室で髪をカットしてもらいながら、美容師のパトリシアと話していると、いとこのタイにマーダーボールに連れて行ってもらうといいと勧められます。
マーダーボール(車椅子で行うラグビー)に出会ってから、フィンの生活はそれまでの生活と劇的に変わっていきます。
コテージは給油機が不具合で、電源が三日間で二度も落ちています。
電力会社に連絡するとトゥイという男が来て、隣に住むゾイル家と相談するように言われます。ゾイル家とコテージは一本の電線を共有しているのです。
ゾイル家は大きな農場と未開拓地の持ち主で、怒らせると手荒なことをする、手のつけられない一家らしいのです。
ゾイル家に行ってみると、大柄で筋肉質な兄弟三人が出てきて、何故だかわかりませんが、フィンに敵意を持っているようです。フィンは彼らに不気味な異様さを感じ、どことはいえませんが違和感を持ちました。
コテージに親猫と4匹の子猫がやってきます。
前の家の持ち主のエミリー・コッターが飼っていたのではないかと思ったフィンは、彼女に会いに高齢者向けコミュニティーに行きます。
エミリーは猫は飼ったことがない、ゾイル家はほしいものをすべて手に入れる、私は決して忘れないと言うばかりでした。
気になったフィンは図書館の新聞でエミリーの家族のことを調べます。
エミリーの娘・アリスは行方不明になり、彼女の恥骨がゾイル家の農場近くで発見され、農場はくまなく捜索されましたが何も見つからなかったということでした。
また別の日に図書館で新聞を読んでいると、同じ記者が記事を書いていることに気づき、会いに行くことにします。記者はプルーイット・ベイリーと言い、何故そんなにその事件のことを知りたいのか、事実はすべて報じてきたと言うばかりでした。
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