安藤祐介 『本のエンドロール』
2019-03-22


兄犬はとうとう犬小屋の上でへそ天しました(笑)。

禺画像]

寝ずらくないのかしら?
仕方ないので、夏用に買っておいた犬小屋を使うことにしました。
最初は色々とやっていましたが、夜はちゃんと中で寝ました。
春に近づくにつれ、小屋の中は暑くなっていたのでしょうね。
兄のお下がりのツリーをもらった弟は相変わらずクッションの下に潜り込んで寝ています。
暑くないのかしら?


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本が私たちの手元に届くまで、様々な人々の手を経ています。
それは分かっていましたが、一般的には作家や編集者、出版社の方にばかり光が当たっているようです。
この本はあまり知られていない印刷会社のことを描いた作品です。

豊澄印刷株式会社営業部第二部に務める浦本は会社説明会で自分の思いを言ってしまいます。
「印刷会社はメーカーだ」と。
しかし、トップセールスの仲井戸はそれとは反対の意見でした。
仲井戸に追いつけ追い越せとばかりに浦本は頑張っていますが、それが裏目に出ているのが現状です。
何故なら、彼はいつも工場に無理難題を持ちかけ、不評を買っているからです。
彼の思いは届くのか・・・。

データ制作部書籍チームの福原はこういいます。
「人の出会いに縁があるように、本と人との出会いもまた縁だ。
 本と人とは一対一で対峙する。
 読者はたとえ「つまらなかった」と読み捨てた本からも、何かを受け取る。一冊の本が読者の心を突き動かし、人生を変えることもある。
 本とはそういうものだ。
 自分たちが造っているものは、そういう大切なものなのだ。」

浦本はこう思います。
「今の仕事は天職だ。
 そう言い切れる人は、ほんのひと握りで、多くの人は今の仕事ではない別の仕事、今の人生とは違う別の人生にかすかな憧れを残し、ぼんやりと引きずって生きているのかもしれない。
 それでも、今目の前にある仕事に全力を尽くす人たちがいる。
 たとえ天職でなくてもいい。
 この仕事をやっていてよかった。そう思える瞬間が日常の端々、所々にあればそれはきっと幸せなことだろう。」
「どう仕事するかは、どう生きるかに等しいのではないか(中略)
 廃れてゆくものを守る人間もまた必要なのだと思う。そんな仕事だからこそ、好きでなければ続けていられないと思うのだ。」

一冊の本にこれだけの物語があることに驚きました。
お仕事本として印刷会社のことを知ること以外に、仕事をすることの意味も知ることのできる本です。
お勧めです。


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