小川洋子 『琥珀のまたたき』
2016-01-08



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妹が亡くなり、父と母が別れ、三兄弟は父から貰った別荘で暮らすことになります。
兄弟は今まで使っていた名前を捨て、新しくオパール、琥珀・瑪瑙という名前を得ます。
母は外には妹を殺した魔犬がいると頑なに信じ、子供たちに別荘の外に行くことを禁じます。
彼らは閉ざされた家の中で父が出版していた図鑑で学び、独自の遊びをして暮すことになります。
そうするうちに琥珀の左目に異変が生じ、その中に亡くなった妹の姿が見え、彼は図鑑の片隅に妹の姿を描き始めます。

いつまでも続くと思えた彼らの世界ですが、いつしかかすかな亀裂が入り込んできます。

孤独な子供たちが作り上げる独特の世界がはかなくも美しいです。

小川さんはこう語っています。

「肉体は外には行けないけれど、彼らは彼らなりに想像力を働かせて壁の内側を自由に呼吸ができる楽園にした。こういう環境で人間が自由になるとしたら物語を頼りにするしかない。この小説を書いて思いましたね、『やっぱり人間には小説が必要なんだ』と」(産経ニュースより)

[日本文学]

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