意外と私、柚木さんの本が好きみたいです。
意図しないで続けて何冊か読んでますもの。
女性向きのお仕事本でした。
続きの本がなかなか文庫にならないので、そういう時は図書館の予約、ということで、1カ月ぐらい待ちました。
4編が載っている短編集です。
アッコ女史が出てくるのは最初の2編、「3時のアッコちゃん」と「メトロのアッコちゃん」です。
『ランチのアッコちゃん』でアッコ女史とランチの交換をした女の子、澤田三智子も「3時のアッコちゃん」に登場します。
彼女は転職して、高潮物産で派遣から契約社員となり、宣伝部広報課で働いています。
クリスマスに向けたシャンパンのミニボトルの販促会議がまとまらず苦労していたのですが、たまたま彼氏の古本屋を手伝っている時に現れたアッコ女史に愚痴ると、なんと彼女、週明けの5日間、高潮物産に来て会議の前にアフタヌーンティーを用意すると言うのです。
アッコ女史は何をするつもりなんでしょうか。
「メトロのアッコちゃん」は二十七年間、親からも周りからも何もできないと莫迦にされ続けてきたと思っている女性のお話。
親を見返すために、ブラック企業で頑張ってきたのですが、そろそろ限界です。
通勤費をケチる企業から指定された通勤路を遠回りでも馬鹿正直にそのまま守っていました。
ある夏の日、天変地異が起こって出社不可能にならないかなどと不穏なことを考えながらメトロの通路を歩いていると、ジューススタンドにいる背の高いエプロン姿の女から無理やりジュースを押し付けられます。
それから毎日、その女性は彼女にジュースを押し付けるのです。
そう、それがアッコ女史。
彼女のたとえ知らない人であろうが、危ない人に手助けをしようとする心意気に感心します。
誰でもできることではないですから。
たまたまネットで江戸川区の某駅で自殺する人が多いという記事を読んだばかりだったので、「メトロのアッコちゃん」を読んでびっくりしました。
柚木さんはこの駅を参考にしたのかしら?
2編を紹介したので、後の2編も軽く紹介しますね。
「シュシュと猪」は東京から神戸に転勤して、関西のおおらかさ(?)に戸惑う女性のお話。
「梅田駅アンダーワールド」は就職活動が上手くいかない大学四年生の女の子のお話。
4編共、仕事に悩む女性が主人公ですが、最後にはふっきれ、新たな一歩を歩み始めます。
「あなたに問題があるというより、初期設定・・・・・、最初の選び方だけが間違っていたってことはない?あなた、一度でも自分にふさわしい場所を考えたことある?」
「目先のことに気を取られてばかりで、自分が選ぶべき椅子の大きさや色形についてちゃんと考えたことがなかったと気付く。」
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