相変わらずかわいい表紙です。
この本は付き人が付き人ではなかった頃のお話です。
二人は大学四年生。
学長のゼミに急に現れた黒猫はある事件の目撃者にしたてあげられようとします。
彼は危険に気づき、この頃から揉め事に関わる体質のあった付き人を助けます。
詳しくは書きませんが、この時から二人の腐れ縁が始まることとなります。
どうも付き人さんは自分のことを客観的に見られない人のようです。
いつもTシャツにジーパンのような恰好をして外見に無頓着ですが、スカートを着たり着物を着たりすると、メチャかわいいようです。
もったいないですね。
外見は無頓着でも内面、特に黒猫に対する自分の気持ちはわかっているようです。
自分でも恋愛に奥手であることを自覚しています。
森さんはインタビューで、「恋愛は目的に到達するかしないかのぎりぎりの部分が一番美しいと考えて」いると言っていますので、二人の関係はずっとこんな調子なんでしょうね。
作者さんも美意識が厳しいんですね。
美学に関する薀蓄は『
黒猫の遊歩』ほどではありませんが、ポー好きにはうれしい内容になっています。
ポーは全部読んでいないので読んでみようかとkindleで英語の全集を買いました。
読めるかな・・・。
たぶんダメでしょう。
二作目あたりから、やっとこのシリーズに慣れてきました。
『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』が単行本で出ているようです。
早く文庫本にしてくださいませ。
そうそう、二人の関係はホームズとワトソンかと思っていたのですが、違いました。
お姫様とお姫様を助ける白馬の騎士が妥当かと思います。
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