6日にレイ・ブラッドベリが亡くなりました。彼の作品はSFというジャンルに分類されていますが、抒情性豊かなものです。大学時代以降には読んでいなかったので、久しぶりに『たんぽぽのお酒』や『10月はたそがれの国』なんかでも読んでみようかしら。
しゃばけシリーズとは違う江戸物を読みました。
本の裏の解説なんか見もせず、オサキというどこかのお店に奉公している女の子の話だと思って買ったのですが、読んでびっくり(笑)。
主人公は手代の周吉で、彼は不思議な力を持ったイケメンだけど、やぼなお人。
彼に憑いているのが、白い妖狐のオサキ。
そう、周吉はオサキモチなのです。
オサキモチであるが故に両親を殺され、山野をさまよっている時に、ちょっと人とはずれている献残屋の旦那を助け、彼の店で手代として働くことになったのです。
幸せなことに、店の一人娘のお琴から心を寄せられ、さて、二人はどうなるのかというところです。
でも、そう簡単にいかないわよね。
妖狐が出てくるのですから、話は不思議なことばかり。
食い意地がはり、口の悪いオサキですが、商才があり、随分周吉を助けています。
献残屋とは、今でいうリサイクルショップみたいなものです。大名が受けた献上物で不要なものの払い下げを受け、商品にして商売するんです。
払い下げ品に変なものがあります。例えば夜中にしゃべりだす掛け軸やまばたきをする干魚。その上、付喪神(百年たった道具は魂が宿って妖怪になるんです)なんかも来ちゃいます。
オサキは妖狐ですから、すぐにわかるんですねぇ。それで、周吉に教えてあげるんです。
それもこれも、美味しい升屋の油揚げを食べたいばかり。
オサキみたいな妖狐が飼いたくなりました。便利そうなんですもの。
話の筋はたいしたものではありません。漫画チックですが、出てくるキャラクターが好きならサクサク読めるでしょう。
それにしても、『このミス』大賞シリーズって深みがない話が多いような気がします。私的には気軽に読め、気分転換になるので嫌いではないですが。
もちろん、このシリーズ、続けて読みますわ。
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