『ルドンとその周辺―夢見る世紀末』@三菱一号館美術館
2012-01-21


私が気に入ったのが、木炭で描かれているこの「骸骨」。人間なんて死ねばしょせん骸骨さ、というわけではないでしょうが。何やらこの骸骨、腰に手をあてポーズを取っています。

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紙は白ではなくて、何色というのでしょうか。茶色でもないし・・・。

リトグラフでは彼独自の不思議なイマジネーションの世界が広がっています。
結構私はこういう変な世界が好きです。

40歳を越した辺りからの人を描いたものがとてもいいと思いました。

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「光の横顔」。リトグラフですが、幻想的な版画です。

写真を探せなかったのですが、彼が版画を習い、晩年自殺をしたブレスダンのポートレートを描いたと思われるものは、彼に対する愛情あふれたいい作品だと思いました。

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黒の時代から色彩あふれる時代に入った頃に描かれたのが、この「樹」です。
ルドンは二十代の頃、植物学者のクラヴォーと知り合い、植物学の知識もあったようです。
初期の木炭で塗りつぶすように描かれた樹とは違い、芽が芽吹いています。彼の心境の変化が垣間見られるように思います。
下が空いたスペースになっているのは何故でしょう?彼の描く花の絵も下が空いていて上が詰まった感じがします。空中に浮いたような樹です。
心理学的に分析するとおもしろいでしょうね。

ルドンは黒を使いながらもそこには色彩があるように思いました。

<第二部:色彩のルドン>
説明文に書いてあったのですが、彼が色彩の世界に入っていくひとつのきっかけになったのが、49歳の時に生まれた息子の存在だそうです。彼が味わった幸福感が絵に転機をもたらしたのでしょうか。


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