エンデとは人の名前で、ドイツの作家ミヒャエル・エンデのことです。
彼の書いた本では『モモ』や『はてしない物語』が有名です。日本に縁があり、何回も訪れており、晩年は『はてしない物語』を翻訳した人と結婚しています。
エンデは死の前年、NHKに番組の企画を提案しました。それがエンデの死後「エンデの遺言」として1999年に放送されたそうです。
『エンデの遺言』という本も出版されているそうなので、買って読んでみようと思っています。
「パンを買う金と、株に投機する金は違うはずだ」
エンデは環境・貧困・戦争・精神の荒廃など、現代のさまざまな問題にお金の問題が絡んでいるので、現在の貨幣システムの何が問題で何を変えなければならないかを真剣に考えていかなければならないと言っています。
銀行から転職し出版社で編集の仕事をしていた門倉は、早期退職をし作家になりました。
なかなか次の作品が書けないで悩んでいたところに、奥ノ霧島に雑誌の取材に行かないかという話が持ち上がります。
三十歳の青野という若い編集者と奥ノ霧島に行きますが、驚いたことに、この島はエンデの言葉を具現した理想の島のようなのです。
私はこの本をミステリーだとばかり思っていたので、いつ殺人が起きるのだろうなどと思いながら読んでいました。全然普通の本です。全くひねりも何もなく、まっとうにエンデの理想の島が描かれています。
経済についてズブの素人の私でも、そろそろ日本社会は転換期に来ていると思います。今までのような生活はもう捨て、もっと地に足のついた生活をしていかなければと思います。
「・・・利息は罪悪だ」
「むかしの人は利息は不道徳であるばかりか、とんでもない害悪を及ぼすことを知っていたのだな。ついでにいうと、宗教は貪欲であることも禁じていた。だが、資本主義は利息と貪欲とを解放した。それで人間は不幸になった」
「外部的には利息の奴隷、そして内部的には欲望の奴隷になったのだ。(中略)つまりね、金が神になったのだ。そして民人はその奴隷になった」
エンデの『モモ』は時間泥棒のことが書かれていましたが、エンデは「時間」を「お金」に変換し、利子が利子を生む現代の経済システムに疑問を抱かせることが目的だったということです。(ウィキペディアによる)
日本の現状を考えると、将来に対して暗澹たる思いがします。
セコメントをする